ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

コラーゲン造血

その66.「貧血」対策は、鉄、野菜、腸内環境改善 そして「コラーゲン」

生理学博士 久間英一郎

「貧血」というと99%の人は、"鉄分"の不足と言うでしょう。確かにそれもその通りですが、もっと重要なものが野菜(葉緑素)なのです。
 なぜなら、鉄分だけでは血液にはならず、葉緑素が必要だからです。葉緑素(クロロフィル)と血色素(ヘモグロビン)は、非常にその分子構造が似ている (違うのは、それぞれの核がマグネシウムか鉄かだけ)ため、野菜(葉緑素)を摂取すると、腸管の粘膜において葉緑素の分子構造(ポリフェリン核)からマグ ネシウムがはずれ、そこにイオン化された鉄が飛び込むだけで見事に血色素(ヘモグロビン)に変化・発展することができるのです。葉緑素が「緑の血液」と呼 ばれる理由がここにあります。
 だから、「貧血」に鉄分だけ与えても不充分。野菜をしっかり摂取しなければならないのです。
 さらに加えて、腸内環境を改善することも非常に重要です。千島喜久男博士、森下敬一博士による「腸造血説」によると、「血液は腸で造られる」、すなわち 腸の絨毛において食物から赤血球が造られる訳ですので、造血の舞台たる腸の環境がとりわけ重要になるのです。下痢したり、便秘したり、また過度にお腹が冷 えていると腸内細菌のバランスも崩れて、よい赤血球が造られるはずはないのです。
 従って、野菜や玄米や発酵食品などを摂り、お腹を温めて腸内細菌のバランスを整えることが大切です。
 小牧久時博士が腸内細菌叢改善を目的として開発した乳酸菌・酵母共棲培養エキス『プシュケー』が、貧血の改善に有効なことが報告されていることからも、腸内環境改善が貧血対策に効果的なことが伺えます。
 さて、少し前置きが長くなりましたが、今回のテーマは、この先にあります。結論から言うと、コラーゲンはお肌や骨(関節)だけでなく「造血」=「貧血対策」に非常に有効ということです。
 日本でのコラーゲン関係の出版物には、「造血」とコラーゲンの関係に関わる記述はほとんど見られませんが、四千年の歴史をもつ中国伝統医学によると、コラーゲン(漢方薬では「阿膠」)は、補血薬として堂々と登場しております。
 筆者の師である天津中医学院教授、刘公望編「中葯学」(華夏出版社)によると、「阿膠」の効能は「補血・止血」、「滋いん・潤肺(じいん・じゅんぱい)」とあります。臨床応用と して、顔色が青白く冴えない、めまい、動悸などの血虚証(血に力がない)の場合に用いたり、吐血・鼻血・便血・尿血などの出血証、さらには、イライラ・不 眠・血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血及び鉄欠乏性貧血、白血球減少症などの場合に処方されると記載されています。
 そして最後の説明において、「阿膠は補血の聖薬であり、また良好な止血作用を有している。故に現代臨床では、造血系統の疾病に主要に用いられる。」加えて「〈本草便读(ほんぞうべんどく)〉は言う。阿膠は一切の血に関わる病気の要薬である。」という言葉で締めくくられています。
 以上、中国伝統医学の業績から見ると、コラーゲン(阿膠)は、紛れもなく「造血=貧血対策」に有効であることが判ります。
 では、なぜコラーゲンが「造血=貧血対策」に有効か、その機序について考えて見ますと、これは私見ですが、前述の造血の舞台である腸の絨毛(有害食品や ストレスなどの刺激でキズつき易い)の表面の細かいキズの修復に役立つからではないかと考えています。コラーゲンが皮膚代謝の促進、キズ修復の促進に有効 であることは、高橋周七博士ほかの研究でも立証済みだからです。
 最後にくり返しますが、「貧血」には、鉄分だけではなく野菜(葉緑素)も必要。さらに腸内環境の改善、そしてコラーゲン。食養としては、これでほぼ完璧です。
 医療の現場でも参考にしていただければ幸いです。

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