ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

伝統食

その28. 腸内細菌のはなし(下) 「腸管は最大の免疫臓器」

生理学博士 久間英一郎

前回は、肉・卵・牛乳等の欧米食やストレス等によって腸内細菌叢のバランスが崩れ、病気のリスクが高まることを書きました。今回は腸内細菌と造血・免疫について、さらに腸内善玉菌を増やす食事について書きます。

腸が大切なのは、それが食物の消化・吸収・排泄の器官であるだけではありません。「造血・免疫」と深く関っているからなのです。

国際自然医学会会長で、お茶の水クリニック院長の森下敬一博士は、「血液(赤血球)は、腸の粘膜で食物のモネラ(ドロドロ状の食生物)から造られる」と主張しています。

そして、消化・吸収はすなわち造血なのであるとしています。ですから約60兆の細胞からなるとされるヒトの身体は、どの一つをとってみても、「食→ 血→細胞」の流れの中にあるのですから、人(細胞)が健康であるためにはこの造血の舞台、すなわち「腸」が健康であることが何より大切です。そのために は、腸の働き手である腸内細菌のバランスが絶対不可欠なのです。善玉菌が優勢であれば、きれいな血液が生まれ細胞も健康になるのです。

また、血中での免疫の中心を担う白血球についても博士は、「白血球は赤血球から新生する」と言っています。これもまた健康な血液(赤血球)を造ることが免疫を向上させることを意味しています。

さらに、小腸の終わりの場所には、消化管での生体防御の主役となるパイエル板があり、病原体から身体を守ったり、細菌やウイルスを退治する白血球を 強める働きをしています。これもまた腸内細菌の影響を強く受けますので、腸内細菌叢のバランスを耐えず良好に維持することが健康に不可欠となるのです。ま さに「腸管は最大の免疫臓器」なのです。

という訳で、腸内善玉菌を増やす食として筆者のお勧めは、まず、玄米か五分づき米。味噌・醤油・納豆・天然醸造酢・梅干・糠づけ等の発酵食品。イ モ・豆・根菜類・キノコ・海草類。これらの食品は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が多いので腸内細菌叢の改善には絶好です。でもご注意いただきたい点があ ります。いくら良い食物でも食べ過ぎにならないように。 "過ぎたるは及ばざるに劣る"のです。もう一つは、食物繊維が多いからこそよく咬んで食べていただきたいことです。よく咬むことは、それだけでも若返り、 老化防止、ボケ防止それに免疫向上につながります。

最後にヨーグルトについて。ヨーグルトは、醗酵している点で牛乳よりはるかによい食品であることは間違いありません。しかし、原料が牛乳である点、 さらに欧米人と違い、日本人にはヨーグルトを食べてきた歴史が浅いという点で、ほどほどに留めておいた方が無難と考えています。欧米人にとってのヨーグル トは日本人にとっての味噌汁だと考えます。それだけ味噌汁は、長い月日を越え日本人の身体(DNA)に深く浸透していると考えます。人は所詮、その自然環 境の恵みの中に生かされ、またその中で没する(身土不二)存在だからです。

以上を実行していただき、猛暑に耐えてきた身体を癒してあげてください。

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