ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

牛乳白砂糖

その25. 骨を強くする食(上) 「要注意!白砂糖・牛乳・加工食品」

生理学博士 久間英一郎

今回から2回に渡って、「骨を強くする食」というテーマで書きます。1回目は、骨を強くする食としてふさわしくない、できれば避けたい食について書きます。

避けたい食のワースト3は、白砂糖、牛乳、加工食品です。

白砂糖は、さとうきびから精製される過程で、それまで持っていたビタミンやカルシウム等のミネラルを完全に失ってしまった、カロリーだけの空っぽの 栄養食となっています。これが体内に入ると、分解の過程でカルシウムとビタミンB1等を消費するのです。少量の白砂糖なら血中カルシウムだけで足りるので すが、多量に摂り続けると、今度は骨や歯からカルシウムを持ってくる他なくなり、骨はスカスカ、歯はボロボロということになります。

砂糖の毒性薬理に詳しい日本大学名誉教授、田村豊幸博士は、白砂糖の過食は、白血球の食菌能力を弱め、体の抵抗力を下げると指摘しています。そうな ると、風邪にも罹り易くなります。風邪に罹ると腎臓が傷みます。中国伝統医学では、「腎は骨を主どり、髄を生ず」とされ、また、腎臓は骨を強化するのに必 要な活性ビタミンDを合成しますので、特に白砂糖は避けて欲しい食です。眼前の白砂糖は控えても、問題は隠れている白砂糖です。ジュースやコーラ等の清涼 飲料水1本には30gも入っている物もあります。ケーキ、チョコ、アイス、さらにはソース、ケチャップ等も要注意です。

次に牛乳です。これには必ず異論があると思います。それほど戦後の「骨=カルシウム=牛乳」という教育が国民に深く浸透しているのです。

牛乳には100g中110mgのカルシウムが含まれているので、本来なら、牛乳を飲めば飲むほど骨が強化されていいはずなのですが、世界一の牛乳消費国であるアメリカや北欧などでは、日本と比べて骨折率が4~5倍だといいます。また、骨粗鬆症も多いといわれています。

これには、脂肪酸とリンが大きく関与しています。カルシウムは溶けてイオン化されないと吸収されませんが、牛乳のように脂肪酸が多く存在するとカル シウムは溶けにくく、したがって吸収されずに対外に排出されてしまいます。リンもまた、カルシウム吸収を悪くします。リンが多く吸収されて、血中リンイオ ン濃度が高くなると、その分だけ血中のカルシウムイオン濃度が低下するのです。これが続くと、白砂糖と同様に骨や歯からカルシウムを奪ってくる他なくなる のです。こうして骨がスカスカになるのが骨粗鬆症です。

日常、高脂肪食を口にしている欧米人は、カルシウムを多く摂っているようにみえても、脂肪酸やリンのためにカルシウム欠乏症が多いのは以上の理由によります。

ですから、牛乳はほどほどに留めてほしいと思います。

加工食品やインスタント食品もリンの宝庫です。これらの食品には、300を超える化学合成添加物が許可されており、これらにはほとんどリンが使われています。このリンも以上書きました通り、カルシウム吸収を阻害する要因ですので、可能な限り少なくして欲しいものです。

白砂糖より黒砂糖、牛乳より豆乳、加工食品より自然食に食を切り替える努力をしていきましょう。

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