ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

コラーゲン

その46. 煮こごりが教えてくれること  ~健康な骨からコラーゲンが減少すると骨がもろくなる~

生理学博士 久間英一郎

今日はコラーゲンについてお話をさせていただきます。
 皆様は、コラーゲンというと、化粧品に入っていてお肌が引き締まるものとお考えではありませんか?その通りなのですが、それだけではなく、身体全体に大変重要な意味を持っているものだということをご紹介したいと思います。
 人間の細胞というのは、実に37兆もの細胞から出来ており、この37兆の細胞一つひとつを繋ぐのがコラーゲンなのです。ところが、このコラーゲンは20 歳をピークに年々低下していきます。30歳では半分になり、60歳ではなんと1/6に低下してしまいます。だからこそ積極的にコラーゲンを摂る必要があり ます。
 年をとってくるとよく「もう年だから...」という言葉を耳にしますが、年だからと諦めないでください!何故なら、コラーゲンをしっかり摂った人は、摂らな い人に比べてコラーゲンの合成能力が約2.5倍から3倍くらい上がります。加えてコラーゲンを摂ることで免疫力が上がり、代謝も上がってきます。
 今日、私が一番お話したかったことは、コラーゲンと骨との関わりです。
 皆様は、小魚をコトコトと煮て、頭から尻尾まで召し上がったことがおありでしょう。なぜ小魚は煮込むと骨まで柔らかくなるのでしょうか?
 それは、骨のコラーゲンが溶け出すからなのです。「煮こごり」がそれを示しています。人間にとっては、魚の骨が柔らかくなることは有難いことですが、魚 からすると迷惑これ以上ないことです。せっかく健康な骨を持っていたのに、煮詰められてコラーゲンを奪われたばかりに骨がもろくなってしまった訳です。つ まり、「健康な骨からコラーゲンが減少すると骨がもろくなる」のです。
 先に述べましたように、私たちは加齢とともにコラーゲンの減少が宿命づけられているのです。だから、年をとるとコラーゲン補給が特に重要なのです。
 また、大阪医科大学の研究では、コラーゲンがガンを寄せつけない身体を作ってくれるということもわかってきました。
 私たちは年を重ねていきます。つまり加齢です。加齢は避けることは出来ませんが、老化は止めることが出来ます。老化は加齢に伴うマイナス現象です。その マイナス現象を止めるには、コラーゲンをしっかり摂って細胞を健康にすることで、アンチエイジングの栄養的な基礎にもなります。
 私たちのこれからの究極の目標である、PPK(長野県のピンピンコロリ運動)を達成するには、背骨、血管、臓器、脳細胞が健康でなければなりません。そ れは全てコラーゲンに関係しています。出来るだけ、自然に近いコラーゲンを選んでお使いください。今日は健康に関心のある皆様とお会い出来感動しました。

(08.2.23 旭川健康フォーラム講演に加筆)

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