ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

その他(食)

その111.空腹の科学 お腹の「グーッ」は 美と健康にベリーグーッ!

生理学博士 久間英一郎

 三大生活習慣病を始めとする今日の病気のほとんどは"食原病"であること、平たく言えば、食べ過ぎに原因があることはこれまでに何度も述べてきました。
 では、逆は真なるか?ならないか?実は、大いに真なのです。つまりは、空腹=少食は極めて健康的で美容上も素晴らしく、さらに脳の働きにも、地球環境にも神仏の教えにも合致した素晴らしい行為なのです。
 「一日一食」を提唱しているナグモクリニック総院長の南雲吉則先生は、お腹が「グ―ッ」と鳴ると成長ホルモン(若返りホルモン)が分泌されてヒトが若返って魅力的になってくると言います。
 さらには、「サーチュイン遺伝子」(長寿遺伝子)が活躍し始めるという。お腹がグ―ッと鳴ると、「体中の遺伝子をこのサーチュイン遺伝子がみるみるスキャンしてくれて、傷ついているところをどんどん修復してくれるのです。」遺伝子の異常が原因と言われる老化やガンも一日一食で予防の可能性が出てくると言う。
 さらには、一日一食で体脂肪燃焼が高まると、脂肪細胞から奇跡のホルモンと言われる「アディポネクチン」が分泌され、これが血管を掃除して若返りに役立つと言います。
 先生は、一日一食だからこそ、その一食は、(筆者が何度も申し上げてきました)"一物全体食(食物はその一部ではなく全体をいただく、それが栄養のバランスが良い)"を心がけて欲しいと言います。
 『真実のガン治しの秘策』の著者、鶴見隆史先生も著書の中で、長崎の水族館のペンギンの寿命が他の水族館のペンギンの寿命と比べて1.5倍も長いのは週に一度の断食にあったと紹介しています。
 本紙に度々登場いただいている石原クリニックの石原結實先生は、「空腹力」を鍛える重要性を指摘します。一日三度の食事を腹一杯食べている人にとっては始めのうちは辛いかも知れませんが、ちょっと空腹状態に慣れればいいのです。それが「空腹力」を鍛えることだと言います。
 「空腹力」がついてくると効果は絶大。血液の浄化、免疫力の向上、健康維持、病気からの回復等々の力がついてくると指摘します。そこで、一日二食、現代人の場合は朝食抜き位が一番いいのではと勧めています。
 元日本綜合医学会会長、甲田医院院長の甲田光雄先生は、長年、少食、生菜食断食療法で数々の実績を上げてこられましたが、その中に、一日青汁一杯だけで20年生きてこられた森美智代さんがいます。(筆者も数年前に学会でお会いしたことがありますが、ふっくらとしてとてもお元気でした)彼女の名言、「私、食べるのやめました」感服です。
 甲田先生は、2002年、"8億人が飢餓"の報道を受け、「肉食半減で8億の飢えた人々を救おう」と題したキャンペーン本を出されました。その中に次の内容があります。
 いま世界で生存する牛は15億頭。彼らが踏み荒らした草地が不毛の地となりやがては砂漠化していく。その15億頭の牛が出すゲップで吐き出すメタンガスの大気温、温室効果は炭酸ガスの56倍と言われているとして、環境問題としても少食の意義を強調します。
 さらに先生は続けます。「少食というのはなるべく動植物の「いのち」を無駄に殺生しないという愛と慈悲の具体的表現であります。この愛と慈悲の少食を守る者に天はすこやかに老いるという幸せを与え給うのであります。......少食が守れず過食・飽食を続け、動植物の「いのち」を殺生している者に対して、天は「疾病」という警告を与えられる」と記しています。
 「一日青汁一杯で20年」等は特別な例としても、せめて三回の食事のうち一回は抜き、全体として腹六分~七分程度の少食を健康と美容そして地球環境のために励行したいものですね。
 今日、益々猛威を奮うコロナ変異種ですが、どんなにワクチンが普及しても最後は少食が鍵を握っているような気がしてなりません。なぜなら、少食がヒトの内なる玄関口=腸を守るからです。

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