ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

白砂糖

その9. 白砂糖の害① 白砂糖は"キレ"る子をつくる

生理学博士 久間英一郎

戦後の食生活の問題点は、"三白の害"(白砂糖、白米、添加物)と肉の過食に集約されると考えています。

今回から数回、この中の白砂糖の害について書いてみたいと思います。第一回は、"キレ"る子と白砂糖の関係について。

白砂糖は、主にサトウキビから作られるのですが、その精製過程で本来のサトウキビに含まれていたビタミンやカルシウムなどのミネラルを完全に失って しまっています。残ったものは、まさしく"一物全体食"からかけ離れた超部分食、すなわちカロリーだけあって栄養価はないエンプティーカロリーとなってい ます。この白砂糖は、消化分解されるためには、ビタミンB1、B2、カルシウム等を必要としますので、白砂糖を多く取れば取るだけビタミンB1、B2、カ ルシウムが欠乏し、これが重要になるとついには、臓器や骨から削り取ってくる他ない状況に至るのです。B1、B2、カルシウムの欠乏は精神、神経にまで悪 影響を及ぼしてしまい、「キレ」につながるのです。岩手大学名誉教授、大沢博博士は、この「キレ」のメカニズムについて次のように説明しています。

「・・・なかでも甘いものの大量摂取は、キレやすい性格をつくります。甘いものは満足度が高く、血液中のブドウ糖、血糖値は急上昇して疲れもとれて 気分もよくなる。しかし、急に血糖値が上がるとそれを下げるためにインスリンが分泌されるため疲労を感じ、そのためまた甘いものを食べる、という悪循環に 陥る。いわゆる『低血糖症候群』です。脳細胞はブトウ糖しかエネルギーとして使えないので、低血糖は脳の機能を低下させる原因で、イライラやうつ状態を引 き起こす。体は血糖を上げようとして、副腎から攻撃ホルモンといわれるアドレナリンを分泌させ、肝臓を刺激してグリコーゲンを出させる。このアドレナリン が人を攻撃的にさせ、キレやすくするのです。」

キレによる非行、犯罪は教育や社会や家庭の問題としてまた個人の心の問題として世間では理解しようとする傾向にありますが、これでは本当の理解は不可能。食生活の間違いが招いた脳機能の問題として理解されるべきなのです。

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