ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

選食

その6. 「選食」の視点② "身土不二"

生理学博士 久間英一郎

前回は、「一物全体食」(すなわち、一つのものはその全部を食べましょうという教え)について書きました。今回は「身土不二」について書いてみたい と思います。「身土不二」とは、身(身体)と土(土壌・環境)は二つのものではない、つまり一つのもの、切り離せないものという意味から"人は生まれ育っ た地域でとれた作物を食べるのが食の基本である"という教えです。

文豪 徳富廬花は、「われらはひっきょう、土の化物である」といっています。我々は、先祖代々その土地に生れた時からその土地でとれた作物を食べてきました。またそうする他なかったのです。そこでは、作物も人間もその自然の環境の中の一存在なのです。

いいかえれば、その環境の中の存在は、その環境の中で一番適者として存在しているのです。だから、その環境下の適者の一つである人は、適者としての 共存相手であるその地域の作物を食べることが一番自然であり、健康にもよいのです。地球の反対側の作物を食べることは、不自然であり健康によくないので す。例えば、寒い地方の作物(リンゴ等)は、赤外線を多く受けているため体を温めますので暑い地方(季節)の食にはふさわしくなく、逆に暑い地方の作物 (バナナ等)は、紫外線を多く受けているため体を冷やしますので寒い地方(季節)の食にはふさわしくないのです。若くて元気な時はともかく中年以降の方は 注意した方がよいと思います。

ところで現在、我日本は、米・麦を始め、ほとんどの食糧を海外に頼っています。その方が安いのでしょうが健康の側面からみると問題が多すぎます。輸 入食品は、「身土不二」からかけ離れているだけでなく、生産過程が見えないことやポストハーベスト(収穫後の長距離輸送のための農薬散布)等々の深刻な問 題が指摘されています。

そこで、全ての農作物の生産地、農薬の詳細、遺伝子組替の有無等を明示すること、少なくとも主食の自給率を引き上げることが緊急の課題と考えます。 一時、「食糧安保」という言葉が叫ばれましたが、これは食糧の量的安保でした。これからは質的な食糧安保に発展させなければなりません。

良い食を確保し、「身土不二」を実行するには、賢明な消費者が育たなければなりません。共に学び、「身土不二」が安心して実行できるように頑張りましょう。

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