ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

選食

その7. 「選食」の視点③ "旬を食べよう"

生理学博士 久間英一郎

前回は、「身土不二」(すなわち、自分が生まれ育った地域でとれた食物を食べましょうという教え)について書きました。

今回は、「身土不二」と密接に関係している"旬"について書きます。前回も触れました通り、人は自然環境の中の一存在にすぎません。ですからその自 然環境の中で健康に生きていくには、その土地、その季節にとれた食物を食べるのがよいのです。それが"旬を食べる"ことなのです。

日本には有り難いことに四季があり、四季折々にそれぞれ特徴的な食物がとれます。

<春>には冬の間に蓄積した脂肪等を代謝させる(解毒させる)のに都合のよい香りや苦味やエグ味の強い食物(例えば、竹の子、ワラビ、ゼンマイ、フキノトウ等)がとれます。

<夏>には暑さから身を守るため水分を多く含むもの(例えば、スイカ、トマト、キュウリ等)がとれます。

<秋>には冬の寒さに備えて体にエネルギーを蓄える糖質を含んだもの(例えばイモ類、カボチャ、柿、栗、米等)がとれます。

<冬>には比較的体を温める根菜類、イモ類等、土の中のものがとれます。 いずれもその季節を無理なく自然に生きていくのにふさわしい食物ばかりなのです。

これに対して、冬場にスイカを食べたりすると、ますます体が冷えて体調をくずすだけではありません。

冬場にスイカを無理矢理栽培するためには、ハウス栽培、化学肥料が不可欠で、そうすると病気にかかりやすくなるので今度は農薬散布。それだけ危険な 食物になるのです。旬の食物は極端にいうとほっておいてもとれる訳ですから、一番自然で安全な食物といえます。おまけにおいしくて栄養価も高く健康によい のです。

"旬"を食べて季節を感じ健康生活をエンジョイしましょう。

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