ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

牛乳

その98.牛乳信仰止めませんか?㊦ 子供編 牛乳にはガンやアレルギーの リスクがいっぱい!

生理学博士 久間英一郎

 前回、牛乳はカルシウムとマグネシウムとの著しいアンバランスに加え、日本人の大半が乳糖を分解できないことによって、骨の健康に繋がらないばかりか骨粗鬆症を助長すること、さらにはガン・心筋梗塞・脳卒中等の生活習慣病の原因になることを書きました。
 勿論、子供の場合も同様です。ただし、牛乳のおかげで身長が伸びたという人がいるかもしれませんが、カルシウムの吸収が悪い等から考えて、牛乳のおかげというよりは、栄養の全般的な改善の結果、DNAの範囲で伸びたのではと筆者は考えています。
 前回も書きましたが、乳タンパクによる腸内フローラの悪化は、様々な毒素を腸内で発生させ、これが造血に悪影響を与えることによってアトピー性皮膚炎やぜんそく、花粉症等のアレルギーを引き起こす大きな原因になっています。
 次に、子供に大量の牛乳を飲ませることは、鉄欠乏性貧血を引き起こすことが知られています。牛乳には造血に不可欠な鉄分がほとんど含まれていないからです。
 日本統合医学会永世名誉会長沼田勇博士は、「牛乳はビタミンCをこわす」と言っています。ビタミンCはコラーゲンをつくるのに不可欠です。そのコラーゲンは、漢方医学では阿膠と呼ばれ、補血薬として貧血の改善に長年利用されてきたことからしても牛乳が貧血のリスクを上げることはうなずけることです。
 コラーゲンができにくくなれば、身長は伸びても骨格が丈夫にならないとか、運動能力に問題が出たりとか、慢性疲労、消化器障害、また、にきびや虫歯や近視等にも関係していると言われています。
 また牛乳は問題の多い白砂糖や添加物と共にチョコやケーキ、クッキー等のお菓子にも利用されているため、悪影響が倍化され、身体だけでなくキレるなど精神活動にも問題を引き起こしているのです。
 最後に現在の牛乳の驚くべき生産過程について紹介します。
 山梨医科大学名誉教授佐藤章夫博士の『牛乳は子どもによくない』(PHP新書)によると、「現在の酪農では、生後12~14月の雌ウシを人工授精で妊娠させる。平均280日の妊娠期間(ヒトの妊娠とほぼ同じ)を経て出産すると、母ウシはミルクを分泌するようになる。生まれた仔ウシは直ちに母ウシから引き離される。分娩後5日間に分泌される初乳(免疫グロブリンが多い)は仔ウシに与えられる。ただし仔ウシが直接母ウシの乳首から飲むのではなく、酪農家が搾って哺乳容器で仔ウシに与える。出産後6日後からは人間用に300日搾乳する(通常朝夕2回)。出産2~3月経つと搾乳中にもかかわらず再び人工授精で妊娠させる。」
 乳牛は、一生の間に一度の交尾も許されず、産んだ仔牛に乳首を含ませることも許されず、ただ酪農家の利益追求のため年に1回出産し、年10ヶ月搾乳され、これを数回くり返して廃用牛となるそうです。これでは病気にもなるでしょう。そうすれば今度は抗生物質が待っているのです。
 さらに大きな問題は、ほとんどの牛乳が妊娠中のウシから搾乳されたものである点です。
 妊娠中は女性ホルモンが多量分泌されることから、そして乳と血は同源であることから、牛乳は女性ホルモン入り白い血液とも言えるのです。
 これらのホルモン、クスリが牛乳に流れ込んで、将来、女性の乳ガン、子宮ガン、男性なら睾丸ガン、前立腺ガン等のリスクを高めることに。また男性の精子量の低下、男性の女性化の一因もここにあるのではと思われます。
 このような過程で生産された牛乳が大工場に集められ、脂肪を均等化するために撹拌される(ホモゲナイズ)と過酸化脂質を形成することに。加えて高温殺菌するとさらに栄養が劣化するのです。
 「育児書」で世界的に有名なスポック博士も「乳・乳製品はいいものだ」とする考えを見直さざるを得なくなったと言っています。
 皆様このような牛乳をそれでも飲み続けられますでしょうか?冷静な理性の力で牛乳信仰を卒業しようではありませんか。

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