ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

発酵食品

その40. 納豆に感謝!!~納豆は日本が世界に誇る健康食品~

生理学博士 久間英一郎

 過日、某テレビ局の捏造によって納豆が店頭から消えるという事態が起きました。我々納豆ファンとしては、食物のウラミは何とやら...。今回は、納豆の真価を再度明確にすることによって抗議に代えたいと思います。

 納豆の材料は、周知の如く大豆です。

世界的に大豆をよく食べる地域ほど、ガンや心臓病などの生活習慣病が少ないことが知られており、中国の長寿地域として有名な貴州省の貴陽という町では、大豆は副食ならぬ主食なのだそうです。

日本でも長寿県として有名な沖縄県で、タンパク質の摂り方を調査したところ、豆腐が2、魚が1、肉が1の割合で、断然大豆製品である豆腐が一位だったそうです。

 このように大豆には、健康長寿に役立つ素晴らしい栄養成分が豊富に含まれています。
これが発酵して納豆になると、さらにパワーアップ。倉敷芸術科学大学教授、須見洋行博士によると、納豆が大豆製品中No.1である理由として、
「①体内での消化吸収が極めていい。例えば、タンパク質は90%以上が消化吸収され、イソフラボンやミネラル等も吸収されやすい形で含まれている。
②納豆特有の有効成分が含まれている。例えばナットウキナーゼ。これが血栓を溶かし、突然死を防ぐ。
③大豆の有効成分が増える。例えば、ビタミンB2やK、ポリアミンなどが激増する。」と言っています。

 この中で特筆すべきはイソフラボン。イソフラボンは、女性ホルモンと非常によく似た性質を持っていて、女性の更年期障害(のぼせ、めまい、動悸、 イライラ、肩こりなど)の改善に、男性には前立腺ガンの予防に。また、高血圧、高血糖、高コレステロール、ガンの予防にも有効。さらには、閉経後、女性ホ ルモンの激減のためにおきる骨粗鬆症の予防にも有効。

 次にビタミンK。これも骨の強化に不可欠。東京大学大学院の井上聡教授によると、「ビタミンK2を二年間、骨粗鬆症患者に投与したら骨折が半減し た。ビタミンK2が骨を強化すると共にコラーゲン(骨の重要成分)を増やす」のだそうです。高齢者の骨折は、死につながるリスクが8倍増えるとの報告もあ りますので、それだけ納豆を食べる意味があるのです。

 次に、忘れてはならないナットウキナーゼ。
須見博士は言う。「血栓を人工的に作り、その上に血栓溶解剤をのせると、血栓は一晩かかって溶けます。ところが、納豆は一粒のせただけで僅か三時間で血栓を溶かしてしまった。」

 このようにナットウキナーゼは、血栓を溶かし血をサラサラにし、心臓病や脳血管障害、動脈硬化等の予防に役立つ特効成分なのです。

 この他にも納豆には全身の細胞の若返り、
O‐157等の病原菌を防ぐ抗菌力、便秘の解消、肥満予防、貧血予防等々、書き尽くせない程の有効成分があります。
従って、納豆を常食して健康に近づくと肥満し過ぎている人は痩せることがあり得るし、逆に痩せ過ぎている人は太ることもあり得るのです。

 では、この納豆の効果的な食べ方をお知らせします。まず、出来ればひき割り納豆より粒納豆を選ぶ。食べる30分前に冷蔵庫から出しておく。50回以上かき混ぜる。薬味は食べる直前に入れる。

 私のお薦めメニュー。
納豆を熱いご飯に混ぜて、キムチか目玉焼きをのせ、焼きのりで包んで食べると、もうタマリマセン!! 納豆が苦手な方は味噌汁に入れて。大根おろしと共に。カレーライスに混ぜて食べると絶品!! お試しあれ。

謝々納豆様。

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