ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

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その3. 腎はよく精を蔵し、骨を生む

生理学博士 久間英一郎

今回は「骨」と「腎(腎臓)」について、私の経験を混じえて少し書きたいと思います。

中国伝統医学には、「腎能蔵精、精能生髄、髄能養骨、髄聚成脳」という言葉があります。どういう意味かというと、"腎はよく精を貯蔵し、精はよく髄を生み、髄はよく骨を養い、髄は聚(あつま)って脳を成す"とういう意味です。  つまり、腎には一般に知られている排尿に関わる働きに加えて、生殖、成長、発育や髄、骨、脳にも大きく関係しているのです。

腎のこのような働きといえば、私には忘れられない経験があります。それは8年前の夏のこと、私の息子(当時8才)が急性腎炎になってしまったのです。体はパンパンにむくみ(20kgの体重が27kgになってしまった)、そして発熱。急ぎ某大学病院の診察を受けたところ、即入院。私は、腎炎やネフローゼの治療に多量のステロイド剤が投与されること、またそれがどのような副作用を持つかについて、そしてその病気のために体の成長が止まってしまった例も知っておりましたので、そのような治療を息子に受けさせることに耐えられず、大阪医科大学元学長、山中太木博士に相談したところ、先生は「今の医師は過激な治療に走り過ぎる。子供は悪くなるのも速いが良くなるのも速いものです」と言われました。

私は、意を決してその日のうちに退院させ、自宅にて自然療法を実行しました。自然療法といても特別なものではなく、食事は通常食のやや軽めのさっぱり食。うがい、手洗いは日に数回。おなかと腰を冷やさない。補助食品としては乳酸菌・酵母培養エキス、無臭ニンニク、山中博士推薦の総合ビタミン剤、のどが乾いた時の杜仲茶、時々ゼリー、そして充分な睡眠と静養。

最初の2~3日はほとんど変化がなかったものの、4日目位から排尿も増え、むくみ、体重、そして尿タンパク、血液共に減少し始め、1週間でほとんど良くなり、わずか10日間で完全回復することができました。山中博士の指摘通りでした。以後今日まで1日も休むことなく通学し、今春希望の高校に入学することができました。今ではヒゲも濃くなり、身長も私を越え、8年前の危機を乗り越えられた喜びを感じているところです。まさしく腎は精を貯蔵し、髄(骨)を生むのです。健康な骨格を作るためにも、また若々しい脳を保つためにも、腎を守ることが大切です。腎を守るための生活習慣としては

  1. うがい、手洗い励行によるカゼの予防。
  2. ビタミンの充分な補給。
  3. 腹部、腰部を冷やさない。
  4. 偏食、過食、便秘などによって血液を汚さない。
  5. 塩化ナトリウムの塩はやめて自然塩をほどほどに。
    摂りすぎの時は汗をかいて塩抜きをするか、野菜を多めに食べてバランスを取る。

特にこの時期は食べすぎ、飲みすぎに気をつけ、クーラーの下でおなかを出して寝ないようにしましょう。

Have a nice summer!

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