ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

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その2. タダでできる殺菌・防菌方法がある!

生理学博士 久間英一郎

今回は、私達の身近にある殺菌・防菌方法をご紹介します。

殺菌・防菌というと、まずは加熱処理が出てきます。人類が火を利用したときに始まるのが、「この火食の法」です。

これ以外に、例えばステーキの場合、肉を焼く前に必ずニンニクを炒めます。これは、香り・味覚・タンパク分解酵素としてのビタミンB2補給などに加えて、ニンニクの持つ殺菌力を利用したものです。ニンニクの殺菌力は、アリシンという成分によるものですが、これは、10万倍に薄めてもチフス菌を殺す能力がある(小牧久時博士)と言われています。

ニンニクは、このように強烈な殺菌力を持っていますが、それ故に、胃や腸を痛める副作用も同時に持っていますので、生のニンニクは少しずつ加熱して利用することが大切です。

寿司の中にも見事な殺菌・防菌ハイテクノロジーが使われています。まずは「ガリ(ショウガ)」や「ワサビ」、これはなかなかの殺菌力を持っています。そしてシャリの「酢」、これは防菌に加えて、食欲増進に役立ちます。また、寿司を巻く「笹」や「竹の皮」、これらも防菌力に優れています。いずれも、生魚をより安全に食べるための素晴らしい知恵と言えます。

次は、おなじみの日の丸弁当の「梅干し」です。梅干しは、日本人が世界に誇ることのできる文化のひとつであると思います。その他、お茶・塩・砂糖・香辛料・炭など、殺菌力・防菌力を利用したものはたくさんありますが、最後に、これらのものが何もない時にはどうするか。一番お金の掛からない方法をご紹介します。

ひとつは、「よく噛むこと」です。よく噛むと、唾液が出ます。その唾液は食欲増進だけではなく、その食べ物の毒性を薄める働きもあることが解ってきています。よく噛むことは健康に良く、また適度に脳を刺激するので、ボケ防止にもなります。

もうひとつは、「水を控えること」です。私の尊敬する、日本総合医学会会長の沼田勇医学博士は、戦時中、兵士をコレラ・チフスなどの病原菌から守るため(勿論、薬はありませんでしたので)、水をできるだけ飲ませないようにしたそうです。なぜかと言うと、水を飲み過ぎると胃酸が薄まり、その分だけ殺菌力が落ちるからなのです。人は胃酸という素晴らしい殺菌力を持っているのです。沼田博士の指導のおかげで、その部隊は一人も死者がでなかったそうです。

このうっとうしい梅雨の時期、この事を参考にして、健康を守って頂きたいと思います。

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