ピーエスの取り組み - 過ぎたるは及ばざるに劣る

白砂糖

その94.「お砂糖は脳のエネルギー」にだまされてはいけない!

生理学博士 久間英一郎

 「お砂糖は脳のエネルギーです」という広告が以前ありましたが、企業(団体)の社会的責任、生理学上の観点から看過できないと考え、この場でキチンと指摘しておきたいと思います。
 確かに、お砂糖はブドウ糖になって吸収され、脳だけでなく全身を動かすエネルギーになることはその通りです。ですから本広告は間違っている訳ではなく、その分「悪質=巧妙」なのです。
 なぜ「悪質=巧妙」なのか?お砂糖と言われて黒砂糖やお米を連想する人がいるでしょうか。白砂糖以外は連想しないはずですから「白砂糖は脳のエネルギー」と言っているのと同じなのです。
 そして、その白砂糖たるや、「豊かさのバロメーター」では全くない代物なのです。
 詳しく説明します。前述の通り、白砂糖は血中に吸収される際に多くのカルシウム等のミネラルやビタミンB群を使ってブドウ糖になりますので、多量の白砂糖を摂れば摂るほど体内から貴重なミネラル、ビタミンが消耗してしまうことになり、さらに進むと最終的には骨折、骨粗鬆症、関節痛やむし歯、歯周病それに肌荒れ、吹出物、さらには肥満、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、ガン、アレルギー、それにうつ等の精神系疾患等、体のあらゆる側面に悪影響を与える食品なのです。
 さとうきびから搾りたての黒糖には、ビタミン、ミネラル等がしっかり含まれているのですが、白砂糖はこれに様々な化学的処理が加えられることによってビタミン、ミネラルが削り取られた極めていびつな食品になっています。
 ですから、欧米では白砂糖のことをempty calorie(カロリーだけあって栄養は空っぽ)とか、silent toxin(静かなる毒)と呼ばれたりして法的規制の動きが一段と強まっております。
 筆者が特筆したいのはここからです。「お砂糖が脳のエネルギー」だとすると、成績不振のお子様を持つ親としては、"少しでも脳にエネルギーを送ってあげたい"との思いが働き、子供に誤って甘い物を勧めることになるでしょう。これが重大な結果を招くのです。
 結論から申し上げると、白砂糖は「低血糖症」をつくり、その結果「心の病」を引き起こすのです。そのメカニズムを簡単に説明します。
 白砂糖を多く含むジュース、コーラ、菓子類を摂ると、一気に吸収され血糖値は急上昇します。すると血糖を下げるためにインスリンの分泌が促進されます。血糖が下がってもインスリンの分泌はすぐには止まらないため今度は血糖が急降下して低血糖を招きますので、また甘いものが欲しくなり、摂取するとまた血糖は急上昇。これが繰り返されるのです。まさしく血糖の「ジェットコースター」と呼ばれる所以です。
 次が問題です。低血糖から血糖を上げる際に出てくるホルモンがアドレナリンです。このアドレナリンは、別名"攻撃のホルモン"とも"怒りのホルモン"とも呼ばれ、これが暴走すると心のキレ、ムカツキ、イライラをもたらし、暴力、非行、登校拒否ならびにうつ等の精神障害を引き起こす原因になることが元岩手大学教授、大澤博博士らの研究によって明らかにされています。
 脳をよくするためのエネルギーであったはずのお砂糖が暴力を起こすためのエネルギーになっては悲し過ぎます。
 ですから、「お砂糖は脳のエネルギー」は、「ブドウ糖(糖質)は脳のエネルギー」とすべきなのです。米や麦やイモも立派に脳のエネルギーになり得るのです。「子供を甘やかす」とは、甘い物を与え過ぎることかも知れません。
 では白砂糖の代わりのお勧めは、イモの輪切り焼き、干柿、大豆や小豆を煮て黒砂糖や蜂蜜で味つけしたもの、またはそれの入ったコラーゲンゼリー。どうしても白砂糖を食べたい時は、食前に食物繊維の多い野菜や青汁を食べて血糖の急上昇を抑えること。
 真に脳にエネルギー(気)を送るには何が必要か?元々「気」という字は「氣」と書きます。そして「頭」という字には「豆」が入っています。そうです、脳にいいエネルギーを送るには、米と豆、すなわち日本の伝統食を食べることなのです。

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